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仕事が辛い、もう耐えられないという、そんなあなたにお勧めしたいのが「傷病手当金」です。
「傷病手当金」は、病気やケガで働けない場合に健康保険から支給される手当金です。
傷病手当金は退職後でも受給できます。今の仕事が辛い人は仕事を辞めてじっくりと心身を回復させてから再起する時間を作れます。
社会保険に1年以上継続して加入している方で現在、在職中の方なら誰でも申請できます。(扶養としてではなく自身で加入している方)
- 社会保険に1年以上継続して加入している方。
- 業務外の事由による病気やケガで療養していること、労務不能と判断されること、連続する3日を含む4日以上仕事に就けないこと、給与の支払いがないこと。
- 支給額は標準報酬日額の2/3。月給が30万円のかたならだいたい毎月20万円程度の受給額となります。
- 傷病手当金の受給期間は最大で18ヶ月です。
- 傷病手当金を受給したあとに失業保険の受給が可能です。傷病手当金と失業保険を同時に受給することはできません。
- 傷病手当金(最大18ヶ月)+失業保険(最大10ヶ月45歳以上の方は最大12ヶ月)であわせて最大28ヶ月(45歳以上の方は30ヶ月)の給付金の受給が可能です。
※傷病手当金と失業保険の給付金額は異なります。
※傷病手当金申請書の提出期限は仕事につけなかった日の翌日から2年までです。
※傷病手当金の受給期間中は、お仕事は原則できません
受給期間中は、アルバイトなどの仕事や、通学・丸一日のボランティアなどはできなくなりますのでご注意ください。
退職前にやること
保険証のコピーを取る
傷病手当金を受給するために在職中の保険証の番号が必要になるので写真などを撮っておいてください。

マイナンバーカードの作成
マイナンバーカードを持っていなければ作成してください。
傷病手当金の書類を医師に書いてもらうのに必要です。
国民健康保険証はマイナンバー保険証になりました。
失業保険の受給にもマイナンバーカードがあった方がスムーズです。
証明写真機の中にはマイナンバーカードの申請が可能な機種があります。マイナンバーカード申請可能な証明写真機を使いましょう。
傷病手当金申請用紙を入手する
協会けんぽの傷病手当金申請用紙のリンク先です。
加入している健康保険組合のホームページからダウンロードすることができます。もしくは、電話すれば郵送してくれる健康保険組合もあります。
あらかじめ会社には、退職後は傷病手当金で生活しながら体調を回復させたいと伝えておいて、申請書類を渡しておいた方がスムーズです。
事前に傷病手当金申請用紙を入手しておきましょう。
傷病手当金の申請書類を書いてくれる医師を見つける
心療内科がおすすめ。
まずは、うつ状態で仕事が辛いので退職するための診断書を出してくれという形で相談に入るといいと思います。
そこで親身になってくれるようなら傷病手当金を受給しながら療養したいので申請書類を書いていくださいとお願いする形がスムーズです。
診断書があった方が退職時やハローワークで働けない理由を説明する時にスムーズです。診断書を書いてもらいましょう。

傷病手当金の申請書類を書いてくれる医師が見つからない方はクリニックを紹介してくれる退職サポート業者に相談することも検討してみてください。
クリニックを紹介してくれる退職サポート一覧
傷病手当金を受給したいので申請書類を書いてくれるクリニックを探している旨を退職サポート業者にご相談ください。
会社に退職の意向を伝える
法的に退職の2週間前に会社に退職の意向を伝える必要がありますので、退職の2週間前までに会社に退職の意向を伝えてください。
医師の診断書は必ずしも必要ないですが、あった方が後に傷病手当金の書類を会社に書いてもらう際に話がスムーズです。
事前に傷病手当金を受給したい旨を会社に伝えておきましょう。
例:コロナの後遺症で仕事が続けられないので仕事を退職して傷病手当金を受給しながら心身を回復させたいです。ついては傷病手当金の申請書類を書いてもらえないでしょうか?
退職の意向を伝える際に傷病手当金を受給する条件として、退職月に三日連続の休みと退職日に休む必要があるので、その日は休ませて欲しいと会社に伝えてください。
傷病手当金を受給するために会社に一回だけ書類を書いてもらう必要があるので円満退社が理想。
退職代行を使う場合は弁護士資格のある退職代行を使ってください。
傷病手当金の申請書類や離職票などの必要な書類を取り寄せる強制力のある退職代行を使いましょう。
弁護士資格のある退職代行一覧
傷病手当金を受給したいので申請書類を会社に書かせたい旨を退職代行業者にご相談ください。
退職月に三連休を取得する
傷病手当金を受給するのに待機期間が必要です。
傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き(これを「待期」といいます。)4日目から支給されます。
退職月(10月退職なら10月)に取得すること
三連休を取得するのは医師に診断書を書いてもらった後の日付にしてください。
10月10日に医師に診断書を書いてもらった場合は、10月10日-10月31日の間に三連休を取得する。
これには土日祝などの公休や有休でも休みであればなんでもOKです。
3日以上であれば何連休でもOKです。

※共済組合の健康保険加入している場合
私学共済・公立共済など、共済組合に加入されている方は、3連休の初日が本来の出勤日である必要があります。2日目以降は土日でも祝日でも構いません。
退職日を休む
退職後にやること
保険証を切り替える
医師の診察を受けるために保険証が必要です。
マイナンバーカードと離職票をお住いの市役所・町役場に持っていきましょう。
保険年金課国民健康保険係。
医師の診療を受診する
退職した次の月に一ヶ月に一回の定期診療を必ず受診してください。
傷病手当金の申請書類を書いてもらうのに必要です。
医師に傷病手当金の申請書類を書いてもらう
退職した次の次の月に医師に傷病手当金の申請書類を書いてもらいましょう。
例えば10月いっぱいで仕事を辞めた場合、10月に初診があって11月は一ヶ月に一回の定期診療となります。傷病手当金の申請書類を書いてもらうのは12月からになります。
なぜ次の次の月からなのか?
10月いっぱいで仕事を辞めた場合で10月の待機期間で休んだ日がすべて有給休暇で給料に減額が無かった場合は傷病手当金の支給対象になりません。
11月からは給料が出ないので間違いなく支給対象です。
傷病手当金は最大で三ヶ月分まとめて申請することができますので、10月分に大幅な減額があった場合でも、減額が無かった場合でも10月分と11月分を一枚の申請書類にまとめて記載してもOKです。
初月は労務不能と認めた期間については、その期間内に、「3日間の待機期間」・「退職日以降の日付」が含まれているかを必ず確認して下さい。
例えば10月15日から待機期間の三連休を取得して10月31日に退職した場合は、10月15日から11月30日を就労不能と認めた期間として書いてもらってください。
10月分は不支給でもOK。最大受給日数に影響はありません。
※よくある間違いとして、労務不能と認めた期間の初日が、退職日以降になっていると不支給となります。
たとえば10月31日退職で、労務不能と認めた期間が11月1日~となっている場合などは書き直してもらって下さい。
※医師に傷病手当金の申請書類を書いてもらう際に、「発病又は負傷の原因」の項目は不明または仕事と関係ない理由にしてもらってください。
傷病手当金の受給条件に「業務外の事由による病気やケガで療養していること」というのがあり、業務が原因の負傷は受給条件に認められません。
会社に傷病手当金受給のために書類を書いてもらう
会社に傷病手当金受給のために書類を書いて郵送してもらいましょう。
医師書類の就労不能と認めた期間を元に記載します
例えば10月15日から待機期間の三連休を取得して10月31日に退職した場合は、10月15日から10月31日までの給与の支給情報を書いてもらいます。
10月15日から10月31日までの、出勤して「いない」期間の分の給料を記載します。たとえば、有給など。
有給休暇や通勤手当などをまとめて一行で記載してしまってもOKです。
10月15日から10月31日までの、出勤や有給、欠勤に関係なく、とにかくこの期間に支給されたものを全部記載でもOKです。

健康保険組合に郵送する
申請書を揃えて健康保険組合に郵送します。
書類の書き方は傷病手当申請書類記入例を参考にしてください。

受給決定通知書が届く

失業保険の受給期間延長を申請する
「傷病手当金が支給されて受給決定通知書が届いてから」ハローワークで失業保険の受給期間延長を申請します。
退職から32日以上経過してから申請します。だいたい1年以内に申請すればOKです。
傷病手当受給が決定してから申請しましょう。
傷病手当金が支給されずに失業保険の受給に切り替える可能性が残っているので、傷病手当金の受給が確定しない段階で申請しないでください。
ハローワークの雇用保険給付課に行きます。
- マイナンバーカードや免許証などの身分証明書
- 離職票
- 診断書か傷病手当金の受給決定通知書
働けないので傷病手当金で生活していますと職員の人に説明するとスムーズです。
この時に「受給期間延長通知書」と「就労可否証明書」をもらってください。
「傷病証明書」というのがあるか確認してください。ハローワークによっては「医師の意見書」など名称が違ったり、無かったりすることがあります。
私の行っているハローワークでは「傷病証明書」は存在しなかったです。

傷病手当金受給の手順を繰り返す
一ヶ月に一回、医師の診療を受けて申請書を揃えて健康保険組合に提出するのを繰り返します。
会社が書くの申請書類は初回の一回のみでその後は不要です。
二回目以降は申請書類の1ページ目2ページ目4ページ目だけでOKです。
最大18カ月傷病手当金の受給が可能です。

傷病手当金の受給期間終了時に
「最後の」傷病手当金の受給のための医師の診療時に傷病手当金の申請書類と同時に「就労可否証明書」を書いてもらいます。
失業保険の給付期間を延ばすために、就職困難者認定を受けて就職活動を行いたいと医師に相談してください。
※ハローワークによっては「傷病証明書」がある場合があります。その場合は、「傷病証明書」も記載してもらってください。
就職困難者認定を受けると失業保険の給付期間を最大10ヶ月・45歳以上の方は最大12ヶ月まで期間の延長が可能です。
失業保険を受給するための求職活動が失業認定期間中1回でOKになります。(通常は失業認定期間中2回)
失業認定日にハローワークに行ってそのまま求職相談をするだけで次回の失業保険が受給できるというサイクルができるので、失業保険の受給が圧倒的に楽になります。

ハローワークで求職者登録をする
ハローワークで受給期間延長申請を解除し、ハローワークで求職者登録をします。
この時に「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」と「ハローワーク受付票」がもらえます。
失業保険受給や受給説明会の案内をしてもらいます。
この時に就職困難者認定を受ける必要があります。
ハローワークの職員の方に失業保険受給の説明をしてもらっている時に「あなたは給付制限が無く失業認定期間中の求職活動実績は1回でいい」という説明をされたら、就職困難者として認定されていますのでOKです。
「失業認定期間中の求職活動実績は2回」と説明されたら就職困難者として認定されていません。
ハローワークの職員の方に就労可否証明書の内容を再度確認していただいて就職困難者認定を受けてください。
- 就労可否証明書
- 離職票
- 受給期間延長通知書
- マイナンバーカード
- 預金通帳またはキャッシュカード
受給説明会に行く
20分前から受付とありますが実際は30分以上前から入れます。
この受給説明会が初回の求職活動になります。
- 雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり
- 筆記用具※失業認定申告書を書くのに必要。黒のボールペンを持って行ってください。

ハローワークに行く
指定された日時にハローワークに行きます。
失業認定申告書の左下にハローワークに行く日時が記載されています。
この際にハローワークで求職相談もしてください。求職活動になります。
初回は求職相談窓口の人と一緒に失業認定申告書を書いてください。
就職困難者認定の人は失業認定期間中1回の求職活動でOKなので次回の認定日まで求職活動をする必要はありません。
- 失業認定申告書
- 雇用保険受給資格者証
- マイナンバーカード
- ハローワーク受付票
失業保険受給の手順を繰り返す
ハローワークで失業認定日に失業認定を受けてから求職活動として求職相談をするのを繰り返します。
詳しくは失業保険給付の流れを参考にしてください。


非自発的失業者軽減制度を申請
市役所・町役場で申請します。
市町村の保険年金課国民健康保険係
これ、支払った保険料の還付制度なので必ず申請してください。
働いていた次の年度の保険料は高い。
- 国民健康保険証またはマイナンバーカード
- 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知


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